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ラーメンペディア

ラーメンとその歴史

ラーメンの歴史

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ラーメンとは

1959年(江戸時代末)に開港した横浜、神戸、長崎、函館に多くの外国人が移り住んだことをきっかけとして日本に流入した、中国の麺料理がルーツの日本文化との融合料理。居留地の中華料理店、屋台などで提供していた中華麺、南京そば、から発展してきた。支那そば、中華そば、とも言う。漢字表記で拉麺または老麺、一般的にはラーメン、また、らーめん・らあめん・らぁめん・らー麺などと表記される。
ラーメンには決まりきったレシピがなく、麺、ダシ、タレ、香味油、具材の5つの要素を組み合わせることによって、ほぼ無限のバリエーションを生み出すことができる。
麺はカンスイ(かん水、碱水、鹼水)というアルカリ塩水溶液を、小麦粉に混ぜることで柔らかさや弾力性を出している。
1950年代~ 東京中野でつけ麺、東京西部で油そば(まぜそば、汁なし麺、和え麺)が開発され派生ラーメンが増える。

ラーメンを構成する5大要素

①ダシ …豚骨、鶏ガラ、牛骨、魚介、煮干し、野菜ポタージュ、昆布、干し椎茸など
②タレ(かえし) …塩、醤油、味噌、など基礎調味料に、肉や野菜、魚介などの素材のペーストや粉末などを混ぜたもの。タレをダシをで割り、スープとなる。
③麺  …細麺、中太麺、平打ち麺、極太麺、中細ストレート麺、極太縮れ麺など
④香味油(脂/油) …鶏油、豚の背脂、ねぎ油、マー油(焦がしニンニク)、ラー油、トリュフオイル、海老油など
⑤具材 …チャーシュー、煮卵、野菜、メンマ、海苔、鳴門巻きなど

日本ラーメンの概歴

ラーメン初期の記録

1488年 室町時代、京都にて日本初の中華麺「経帯麺」が食される。レシピは現代のラーメンの麺とほぼ同じ。
1665年 当時、「中華麺」と呼ばれていた物を日本人として最初に口にしたのは1665年(寛文5年)、水戸光圀(水戸黄門,徳川光圀,徳川家康将軍の孫)だったと言われています。

このとき庶民にラーメンは広がらず。

ラーメンの黎明期

1872年 明治維新により開国された各地の港町に中国人街ができ、中国人街のひとつ、南京街(横浜中華街)に中華料理屋がオープン。ここで国内最初のラーメンが提供されたという説があり。
1884年 函館の養和軒、国内最初のラーメン屋となる「南京そば」というメニューを出す。
1900年頃 明治時代後期、ラーメンが南京街(現在の横浜中華街)のラーメン屋さんが「支那そば」(または「南京そば」「中華そば」)という名で東京の屋台にちらほらと姿を現しはじめる。
1923年 関東大震災、東京・横浜を中心としていたラーメン店が多く被災し、以降手軽に始められる「屋台」として全国各地に広がっていく。
1920~1930年代にかけて、札幌、喜多方、九州、大阪など各地に続々とラーメン屋が誕生。

3大ラーメンの発生「東京ラーメン」「札幌ラーメン」「九州ラーメン」

東京ラーメン 1910年東京・浅草の「来来軒」が横浜の中華街を飛び出した支那そばを提供し大評判となる。(東京ラーメンの原型)

札幌ラーメン 1923年札幌農大(現在の北海道大学)前にあった「竹家食堂」。農大の中国人留学生のために出していたこの店の「拉麺」が現在の札幌ラーメンの源流と言われており、またその「拉麺(ラーミェン)」が「ラーメン」の語源となったという説もあり。  

九州ラーメン 1937年 福岡県南部久留米の屋台「南京千両」の開業を発祥とする。現在も営業中。

ラーメンの定着期

1945年~ 第二次大戦後、各地の闇市の屋台から国民食としての裾野が広がる。豚骨、味噌ラーメンなど各地にご当地の味とされるラーメンも徐々に発生する。

1947年 福岡県久留米市 屋台「三九(さんきゅう)」で偶然の産物で白濁した豚骨ラーメンが開発される。現在の白濁系豚骨ラーメンのルーツとなる。
1954年 北海道札幌市「味の三平」にて味噌ラーメンが開発され、現在の札幌味噌ラーメンのルーツとなる。
1955年 東京、中野の大勝軒でつけ麺が開発され池袋で人気になる。
1955年~ 東京・国立市の「三幸」、または武蔵野市にある「珍々亭」が発祥で油そば(汁なし麺、まぜそば)を提供開始。

ラーメンの発展・展開期

1958年 大阪・池田市で世界初のインスタントラーメン「日清チキンラーメン」が発明され、「ラーメン」という呼称が定着。
1971年、世界初のカップ麺“カップヌードル”を発明。(日清食品創業者・安藤 百福)
1970年代~ 名古屋「味仙」発祥で台湾ラーメンが開発・提供される。
1974年 横浜・新杉田に家系ラーメンの元祖「吉村家」が開業。
1975年 東京を中心にホープ軒(千駄ヶ谷)を祖とする、背脂チャッチャ系ラーメンがブームとなる。
1987年 博多「なんでんかんでん」が関東に進出、全国にこってり味の一大豚骨ブームが巻き起こる。

ラーメンの多様化~現代

1990年~ さらに「ジャンルレス」とも呼べる程、多様なラーメン屋が登場し始めた1990年代。
1998年 ご当地ラーメンブームが起こる。「喜多方ラーメン」「佐野ラーメン」「旭川ラーメン」「飛騨高山ラーメン」「尾道ラーメン」「和歌山ラーメン」「徳島ラーメン」など
2000年 地域に注目する「ご当地ラーメン」から、作る「人」に注目が集まった「ご当人ラーメンブーム」が起こる。
2000年~ 淡麗系、つけ麺、汁なしのまぜ麺などジャンルが多様化。関東圏を中心に広々とした間取りでゆったりと食べられ、お酒やツマミも楽しめるラーメンダイニングなる業態も出現。
2005年 鶏白湯ラーメンがブームとなる。
2007年 汁なしラーメン(まぜそば / 和え麺)ブームとなる。
2008年 濃厚魚介つけ麺がブームとなる。名古屋・麺屋はなび高畑本店発祥で台湾まぜそばが誕生。
2009年 ドロ系ラーメンがブームとなる。
2010年 淡麗系ラーメンがブームとなる。
2013年 ユネスコ無形文化遺産に「和食」が認定される。ラーメンは和食として一般に認知されてくる。
2016年 「Japanese Soba Noodles 蔦」がミシュラン史上初となるラーメン店での一つ星評価を得る。