八王子ラーメン (東京都)
八王子ラーメンとは
東京都八王子市のご当地ラーメンである。濃いめの醤油ダレを使ったスープに、チャーシューやメンマをトッピングし、細かく刻んだ玉ねぎを加えるのが特徴。またスープの表面に脂(ラード)が浮いているのも大きな特徴。
キーワードは「刻みタマネギ」
ご当地というよりは完全に「地ラーメン」であるが、その数は少なくない。元祖は「初富士」で、創業当時は八王子市の子安町にあったことから、地元の一部の人は子安系などと呼ぶ場合がある。ここから「でうら」が独立する。知名度ではいちばんの「みんみんラーメン」をはじめ、「タンタン」「弘富」「トモエ」「武富屋」「杏華」「味幸」「武丸」「一麵」「一陽来福」「おがわ屋」「いぬい」「珉珉(豊田)」など、数多い。今のところ、知っている範囲では八王子ラーメンの最東端が、武蔵境の「丸幸」だ(ただし2001年11月、宇都宮に八王子ラーメンの流れを汲む「巴」ができた)。
特徴としては、なんといっても具の刻みタマネギである。これを使っているかどうかが、八王子系の分かれ道ともいえる。しかしスープの材料は各店様々で、豚骨、野菜、鯖節、鰹節、昆布などからダシを採った醤油味。同じ系統でここまでバラバラなのも珍しい。つまり、これらは「刻みタマネギ」というキーワードで結びついているのである。
スープにはラードを浮かしている。麵はやや縮れた中太麺。また、八王子系の多くが店内にいくつもの(10枚以上、多いところでは20枚以上)カレンダーを掲示しているというのも、ラーメンには関係ないが大きな特徴である。
醤油ベースのタレ(カエシ)に刻みタマネギとラーメン表面を覆う脂(ラード)。これが八王子ラーメンだが、なぜ刻みタマネギとなったのか。
1959年創業の元祖八王子ラーメンの初富士の店主が北海道旅行の際、刻みタマネギを載せたラーメンを食べてヒントを得たという。北海道のお店では刻みタマネギの辛味が残り、これをなんとか取り除けないかと考えた。そこで脂と合わせて、タマネギの食感を残しながら辛味を抑えつつ、タマネギの甘みを引きたてる方法を考案した。そのスープに合うよう地元八王子の製麺所(尾張屋滝井製麺所)が
中華麺を作り、初富士で刻みタマネギ入りの醤油ラーメンを売り出した。
これが、八王子ラーメンの始まりで、その後刻みタマネギ入りのスタイルが八王子で流行し、一つのご当地ラーメンを形成していったのだ。
八王子ラーメンをまとめている団体として「八麺会」
というものがあり、地図や最新情報はこちらも参照されたい。