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Ramenpedia

2023年4月4日の大崎裕史の今日の一杯

Today's Bowl

忘れられない中華そば+餃子

「大崎さんはチェーン店とかは行かないんでしょう?」とよく言われる。そんなことはまったくなくて、むしろ行く。勉強にもなる。最近でも「幸楽苑」「大阪王将」「天下一品」「日高屋」「一風堂」「魁力屋」「ゆで太郎」と行っている。「餃子の王将」は店舗にも行くが、コロナ禍にデリバリーで随分お世話になった。麺も食べたがレバニラ炒めと天津飯(または天津炒飯)をよく頼んでいた。
今回は、たまたま行ったわけではなくて、4月1日から全国発売になった「忘れられない中華そば」を食べてみたかったから。
なんだか力を入れたメニューのようだし、TBSのジョブチューンを見て、いろいろ食べてみたいなぁ〜と思っていたところ。今日は一人でランチだったし。連食予定だったので中華そばと餃子のみだった。
(池袋にいたのは開店二日目の「琥珀」に行ったら開店10分前で40人ほどの行列で諦めたから(笑)。)
まず、このメニューは『開発にあたり第一に考えたのが、どこにもない独自性。』ということだが、どう考えてもどこにでもある普遍性の王道中華そばだと思う。そして『いつか食べたことがある忘れられない味でもあり、一度食べたら忘れられない新鮮な中華そばを目指した。』とのことだが、これは前記したことと意味合いが矛盾しているような気がする。
『忘れられない』というほど、強烈なインパクトのあるものではなかった。『豚骨ブーム以降の濃厚で贅沢な足し算のラーメンから、出汁の美味さとこだわり抜いた具材のみで勝負する引き算のラーメンに取り組んだ。』とのこと。これはなんとなく理解できる。昔ながらの王道中華そば風に炭火焼の香りが付いたチャーシューが4枚のっているのは、面白い。昔風と今風の融合みたいな感じ。
これまでの王将ラーメンが醤油豚骨なので東日本向けに清湯醤油味メニューも出してみようと思ったのかな。
しかし、値段に差がある。今回の中華そばは、748円(税込)。チャーシューがやや多めと言ってもこれまでの王将ラーメンは594円なので150円くらいの差。これは餃子の王将の価格帯を考えると大きい。
期間限定メニューなら、ありかと思うが、だとするとインパクト不足。むしろ定番メニューにしたい味構成。
期間限定か定番かは、はっきりうたってなかったような記憶。様子見なのかな。
チャーシューが普通ので同じ値段ならこってりとあっさりという位置づけで面白そうだけどなぁ〜。
ちょっと否定的な書き方が多いけど、意外と味は気に入ってます。東日本の人には喜ばれるんじゃないかなぁ〜という味。
でもやっぱり価格なのかな〜。私は「千円の壁なんてぶち壊しちゃえ」という派なので、高くても良いと思っている。748円は安いと思える値段だし。でも同じ店のメニュー(ここでは王将ラーメン)と比較しちゃうと高い印象。餃子が297円なのでセットで千円超えてしまうのが惜しかったかな。チャーシュー2枚減らして700円でギリギリ餃子とセットで千円。
大阪王将も限定メニューを積極的にやっているので、餃子の王将も限定ラーメンがどんどん出てきたら楽しいな〜。

2023.04.04

お店データ

餃子の王将 池袋東口店
東京都豊島区南池袋2-27-5 南池袋共和ビル(池袋)

大崎裕史

(株)ラーメンデータバンク取締役会長。日本ラーメン協会発起人の一人。東京ラーメンショー実行委員長。1959年、ラーメンの地、会津生まれ。広告代理店勤務時代の1995年にラーメン情報サイト「東京のラーメン屋さん」を開設。2005年に株式会社ラーメンデータバンクを設立。2011年に取締役会長に就任。「自称日本一ラーメンを食べた男」(2019年4月末現在約12,500軒、約25,500杯実食)として雑誌やテレビに多数出演。著書に「無敵のラーメン論」(講談社新書)「日本ラーメン秘史」(日本経済新聞出版社)がある。