札幌 六坊@高田馬場
麺喰ワンダラー(Menkui Wanderer)
2025年4月24日オープン。
高田馬場駅と西早稲田駅の中間あたり、早稲田通り沿いに4軒のラーメン店が並ぶことになった。(1軒は麻辣湯。)
高田馬場で20年以上行列を作っている「渡なべ」グループの4店舗目。
「渡なべ」の限定メニューで何度か出していたメニューのスピンオフ店。
初日は混みそうな気がしたのでパスして二日目の遅めの昼を狙い、13時半頃に行ってみたら15番目。着席までに35分。凄い人気。初日は30人以上並んで警察が来て、並び方の指導?注意?に来たようだ。店主のYOUTUBEの使い方が上手で、初日から大盛況。

店名に“札幌”が付いているが味噌がメインではなく、『札幌ブラック』(醤油味)がウリ。花輪でポスターが隠れていて、ブラック推しが見えなかったせいか、私の両隣は味噌を食べていた。
『札幌ブラック』と言えば、ラーメン好きなら札幌の「いそのかづお」で出しているのを知っているはず。「渡なべ」店主の渡辺さんももちろん食べに行っており、かなり気に入ってるが、そこの味を参考にしたわけではない。もちろん名称や黒醤油を使うところはヒントになっているのかもしれないが、実際は“純すみ系”(「すみれ」「純連」及びそこの出身者が出すラーメン)の醤油と「富山ブラック」のハイブリッドラーメンである。渡辺さんが“ラヲタ店主”だからこそできるメニューといえよう。
渡なべスタイルでは創業当時から麺は三河屋製麺を使用。大変義理がたく、限定でも他の製麺所の麺を滅多に使わなかった。しかし、この札幌シリーズだけは札幌の麺を使用。今回も札幌の森住製麺から送ってもらっている。札幌では、お店の暖簾を担当している製麺所が寄贈する、という習慣があり、今回も同様に森住製麺から名前入りで寄贈されている。これまた“ラヲタ店主”の渡辺さんだからこそ、この暖簾は必須だったはずだ。

券売機は最新タッチパネル式。現金使用不可、キャッシュレスオンリー。
主なメニューは、札幌ブラック1200円、札幌塩ラーメン1200円、札幌味噌ラーメン1200円、味玉150円、チャーシュー300円、他。カウンター10席、トイレは2階。
購入したのは店のイチオシで私も一番好きな「札幌ブラック」。丼から溢れるほどのスープが入って受け皿に少しこぼれているほど。それだけでとてもうまそうなビジュアルになっている。受け皿があるのにレンゲは丼に入って出てくるのがなんとも。撮影用に受け皿に移して撮った。見るからにしょっぱそうな黒いスープ。こういう場合、「見た目しょっぱそうだが、飲んでみるとまろやか」なんていうお店もあるが、こちらはマジでしょっぱくて、完飲は無理(笑)。ご飯が欲しくなり、クセになるしょっぱさ。生のニンニクも効いており、熱々で札幌らしさも十分。具はスライスチャーシューが4-5枚。ちゃん系風と書いている人が居たが、明らかにこちらの方が古い。そもそも肉質的に富山ブラック寄り。そしてザク切りの白ネギとたっぷりの黒胡椒。過去に何度も食べているがこれはもう完成しているブランドメニューと言っていい。実に個性的でそれでいておいしい。(かなりしょっぱいけど)一般の人がこのしょっぱさをどう思いながら食べるのやら。

麺は札幌の有名製麺所、森住製麺製で麺の色が黒くなるくらいスープが染み込んで実にウマイ。やや固めの食感もいい。
後日、塩や味噌も食べてみたい。
というわけでだいたい1カ月後に再訪。塩ラーメン狙いです。「札幌ブランド」のラーメン店なのに味は「ブラック」(醤油)推しなのも珍しい。そして、味噌味は二番目ですらない。二番目の推しは「塩ラーメン」なのだ。“純すみ系”は圧倒的に味噌味人気だが、店によっては塩が隠れた人気メニューである場合もある。「ラーメン郷」(大和市)などもそうだ。

私は純すみ系は味噌が好きなので再訪時も味噌を食べることが多く、塩は滅多に食べない
こういう機会でもないと食べないと思うので、今回は満を持して「塩」である。そう言えば、祝花もなくなり、推しメニューが見られるようになっていた。

トップに「札幌ブラック」が来て、次に「塩ラーメン」、そして「味噌ラーメン」である。券売機もこの順番。そして、先日もお台場の味噌ラーメンでコーンバター入りを食べたが今回も追加トッピングで「バター」と「コーン」を追加。この「バター」と「コーン」は札幌の地元には大昔はなかったメニュー。それが「どさん子」の創業者が札幌のイメージでバターとコーンをトッピングにしたら大ヒット。逆に観光客が札幌の店に行った際に「バターとコーンを入れて」という注文が増えたために後付けでメニューに加えたという逸話がある。そして私はその創業者に直接聞いたのだが「私がどさん子を作った頃は札幌に行ったことが無かったんだよ」と笑いながら教えてくれた。そんなことがあるんだ。ラーメンにバターとコーンを入れるというのはある意味“大発明”だと思うのだが、むしろ札幌に行かないからこそ出てきたアイデアと言える。面白い話だ。

さて塩ラーメンだが、最初はあまり混ぜないでバターもコーンもないところから食べ始める。ベースのスープは札幌ブラックと同じだが、いい意味で別物に思えるからスゴい。このメニューで塩ラーメン専門店を出せるくらいおいしい。さすが、味噌より自信作と言うだけある。そしてバターやコーンのある場所を食べ始める。実にマッチしている。やはりラーメンにバターとコーンを入れるというのは発明である。実においしく、レンゲでコーンをすくって食べていたら、完食完飲。いや〜おいしかった。次は三番目の味噌ラーメン。それを食べるのは、いつになることやら。
「渡なべ」グループ(渡なべスタイル)の歴史
●2002年4月:「渡なべ」(高田馬場)創業。
●2010年3月:「神保町 可以」(神保町)オープン。
●2017年9月:「六坊担々麺」(池袋)オープン。
●2022年3月:「極み麺」(池袋・閉店)
「六坊」シリーズの歴史
●2004年?:香港に「六坊」出店(閉店)。
●2005年:「TOKYO NOODLE 六坊」(高田馬場・閉店)
●2017年:「六坊担々麺」(池袋)オープン。
●2025年:「札幌六坊」(高田馬場)オープン。
渡なべスタイルの「札幌ブラック」の歴史
●2018年:限定メニューで「札幌ブラック」初登場
その後も何度か登場。塩や味噌も同時発売。
●2022年:「渡なべ」監修でカップ麺発売。名前は「やみつきブラック」。
●2022年:東京ラーメンフェスタ(駒沢公園)に「札幌ブラック」で出店。
●2025年:「札幌六坊」(高田馬場)オープン。
店舗情報
札幌 六坊
〒169-0075 東京都新宿区高田馬場1丁目4−18